メディアテクトは、飲食業界に特化したAX/DX支援プロダクト「StoreOS AI」の構想を正式に公開いたしました。StoreOS AIは、AIとデータの力を活用し、飲食店の現場オペレーションから本社機能までを横断的につなぐことで、AIネイティブな飲食業界の実現を目指す変革支援プロダクトです。
現在、メディアテクトでは飲食業界におけるPoCパートナーとの取り組みを通じて、実際の現場業務に基づいた検証・改善を進めており、複数テーマにおいて一定の成果と知見を蓄積しています。本記事では、StoreOS AIの構想背景と今後の事業戦略についてお伝えします。
飲食業界では現在、深刻な人手不足、属人的な業務オペレーション、多店舗運営における情報分断、アナログ業務の残存、店舗と本社間の連携課題、AI活用やデータ活用における格差など、多くの構造的課題が存在しています。一方で、AI技術の進化によって、従来では実現が難しかった業務自動化やデータ活用、意思決定支援などが現実的なものとなりつつあります。
これらを踏まえ、一般的に使用されているAIツールや言語モデルを教えて活用を提案するというシンプルなAI導入支援では、本質的な変革は実現できないと考えています。実際の現場では、既存オペレーションとの整合性、店舗ごとの運用差異、現場スタッフへの定着、本社との役割分担、コストとのバランスなど、多くの要素が複雑に絡み合っており、飲食業界特有の業務構造や現場理解を前提とした上で、AX/DX支援を行う必要があると私たちは考えています。
また、私たちは飲食業界におけるAIネイティブ化と同時に、よりデータドリブンな飲食事業運営の実現も重要なテーマであると考えています。飲食業界では現在も、多くの意思決定が経験や感覚、属人的な判断に依存しているケースが少なくありません。しかし今後は、AIとデータを活用しながら、現場と経営の双方がより定量的な視点を持ち、迅速かつ再現性の高い意思決定を行える環境づくりが重要になると私たちは考えています。
メディアテクトでは、2025年12月より某イタリアンチェーンとのPoCパートナーシップを通じて、飲食業界におけるAIネイティブ化に向けた効果検証を進めてきました。検証開始から約6ヶ月が経過した現在、複数のテーマにおいて一定の成果が確認されており、実務レベルでの変革が徐々に進み始めています。
また、現場および本社機能の双方と密に連携を行いながら、業務課題やAI活用に対する期待・不安など、多くの一次情報を蓄積してきました。この取り組みを通じて、飲食業界におけるAI活用の実現可能性、導入時に発生しやすい課題、業務定着までのプロセス、成果創出に必要な支援設計などについての知見が明確になりつつあります。そして、これらの知見をもとに構想しているのが、「StoreOS AI」です。
StoreOS AIは、飲食業界のあらゆる業務をAIとデータによってつなぎ、現場から経営までを支える“AI Operating System”構想です。単なる業務効率化ツールではなく、現場オペレーション、本社機能、データ活用、業務フロー、意思決定、人材運用などを横断的に最適化し、現場に定着するAX/DXを実現することを目的としています。また、飲食業界特有の課題や運営構造を前提として設計することで、実務レベルで機能する現実的な変革支援を目指しています。
StoreOS AIでは、まずAIエージェントを活用した業務ごとのDX/AX支援を行い、飲食店の現場業務や本社業務における省力化・効率化・運営高度化を推進していきます。また、実際の現場に入り込みながら効果検証や改善を重ねることで、飲食業界におけるAI活用や業務変革に関する知見を継続的に蓄積していきます。また、お客様専用のデータソースを形成し、事業者を深く理解した上でのあらゆる分析やデータの蓄積抽出を可能にします。
上記のように、私たちは単にシステムや変革支援サービスを提供するだけではなく、これからの飲食業界をより良くしていくためには、事業者同士が課題や知見を共有し合い、つながる場が必要であると考えています。
そのような考えのもと、StoreOS AIのリリースと同時期に、飲食業界の経営者・現場責任者・関係事業者などが集まるコミュニティの創設も予定しています。このコミュニティでは、現場業務や本社業務におけるAX/DXだけでなく、集客、人材採用、事業承継、経営改善など、飲食店が抱える様々な課題について情報共有や意見交換を行いながら、業界全体の発展につながる知見を蓄積していく予定です。
また、同じ課題感や未来への危機感、そして飲食業界をより良くしていきたいという意思を持つ人々がつながることで、新たな価値創出や協業、成功事例の創出にもつなげていきたいと考えています。
さらに私たちは、飲食業界におけるAI活用やDXの推進において、現場と経営をデータでつなぐことが重要になると考えています。例えば、これまで分散していたデータを視認性高く整理・可視化することで、経営層や現場責任者が直感的に定量的感覚を掴ける状態を実現し、より迅速かつ精度の高い意思決定につなげていくことが可能になると考えています。
また、AIによる分析や予測を通じて、店舗ごとの状況把握や課題発見、改善アクションの最適化などを支援することで、属人的な運営から、より再現性とデータに基づいた運営への進化を目指しています。
さらに、現場と本社間における情報共有や意思決定スピードの向上、ナレッジ蓄積の効率化、業務状況のリアルタイム把握など、飲食店経営全体の高度化にもつなげていく予定です。
私たちは、最初から汎用的なプロダクトを開発するアプローチは取っていません。その理由は、本当に価値ある変革支援を実現するためには、まず現場に深く入り込み、一次情報を蓄積することが不可欠だと考えているためです。
飲食業界では、同じ業態であっても店舗規模や運営体制によって課題が大きく異なります。そのため、机上の設計だけで汎用的なサービスを作るのではなく、まずは実際の現場で効果検証を重ねながら、再現性のある成功パターンを蓄積していくことを重視しています。
StoreOS AIは、2026年6月以降、変革テーマごとに順次サービス提供を開始する予定です。また、同時期に創設を予定している飲食業界向けコミュニティの詳細についても、今後改めて発表を行う予定です。
今後はPoCパートナーや業界関係者との連携をさらに強化しながら、新たなAXテーマの検証、成功事例の創出、プロダクト開発、サービス提供体制の強化などを進めていきます。
また、飲食業界におけるAI活用やDXは、単なる業務効率化にとどまらず、業界全体の生産性向上や新たな価値創出にもつながる可能性を秘めています。メディアテクトは今後も、現場に定着する変革支援を軸に、飲食業界のAIネイティブ化に挑戦してまいります。今後の続報にもぜひご期待ください。